米国で開催されたインテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)で8作品が栄えある賞に輝きました
高校生のための世界最大の科学コンテスト「インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)2018」が5月13日から18日に、米国ペンシルベニア州ピッツバーグで開催されました。この大会は、1950年から毎年開催されている権威ある科学研究コンテストで、81の国と地域から約1,800人の高校生が参加し、自分たちの研究を披露し合いました。賞金・奨学金などの総額は約500万ドル(約5億5千万円)になります。今年は、日本から12組23名が参加し、過去最多となる8組15名が受賞しました。
過去最多の受賞をした日本代表
Intel ISEFは、世界420か所で開催される提携コンテストに約700万人の高校生が参加するところから始まります。そのコンテストから選ばれたファイナリストが、毎年5月米国で開催されるIntel ISEFに派遣されます。日本では、Intel ISEFの予選大会として提携している「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」(朝日新聞社・テレビ朝日主催)と「日本学生科学賞」(読売新聞社主催)で日本代表に選ばれた高校生が、Intel ISEFのOB/OGが中心となって組織するNPO法人日本サイエンスサービス(NSS)の主催する合宿研修などを経て、英語プレゼンテーションの準備を行い、出場しています。
Intel ISEFでは、物理、化学、生物、地学、工学、情報、数学のほか、医療分野や社会科学など多岐にわたる22のカテゴリーに分かれて審査されます。審査は、豊富な経験を持つ研究者によって行われ、上位25%に「優秀賞(1〜4等)」が授与されるほか、55以上の企業・団体から300以上の奨学金やインターンシップを含む「特別賞」が用意されています。
トップ3賞の受賞者今年は、環境中に含まれるカスミサンショウウオ由来のDNAを効果的に検出する方法と地理情報システム(GIS)を組み合わせることで、その新規生息地を発見した岐阜県立岐阜高等学校の土田康太さん、坂井雄祐さん、都竹優花さんの研究が、動物科学部門で優秀賞2等に輝くど、下記8作品が受賞し、日本代表にとって過去最多の受賞数となりました。
トップの賞となるゴードン・ムーア賞には、ビルの窓を自動で清掃する装置を開発したオーストラリア代表Oliver Nichollsさんが選ばれ、賞金75,000ドルが贈られました。ドローンに似たこの清掃装置は25万円程度で作製できる装置にも関わらず、強風に耐え、1回100万円以上かかっていた清掃コストや危険性を伴う高所での作業という問題点を解決しました。受賞者の情報
発表者: 土田康太、坂井雄祐、都竹優花
研究タイトル: 守れ!ふるさとのカスミサンショウウオ ~GISと環境DNAを用いた新規生息地の発見~
英文タイトル: A Method Combining Geographic Information Systems and Environmental DNA Reveals Hidden Populations of the Endangered Japanese Clouded Salamander, Hynobius nebulosus
学校名: 岐阜県立岐阜高等学校
受賞内容: 動物科学部門 優秀賞2等
発表者: 井川恭平
研究タイトル: アブラムシの種分化に迫る
英文タイトル: Evolution of aphid species due to host plant preference
学校名: 佼成学園高等学校
受賞内容: 動物科学部門 優秀賞3等
発表者: 太田千尋、霜山菜都乃
研究タイトル: 木質バイオマスからバイオエタノールを生産できる花酵母の研究
英文タイトル: Screening of Yeasts in Azalea Nectar for Bioethanol Production
学校名: ノートルダム清心学園清心女子高等学校
受賞内容: 微生物学部門 優秀賞4等
発表者: 上川滉太
研究タイトル: 多点観測によるペルセウス座流星群の研究
英文タイトル: Three-Dimensional Trajectories of 2016 Perseid Meteors Over West Japan Obtained through Multi-Site Observations
学校名: 金光学園中学・高等学校
受賞内容: 物理・天文学部門 優秀賞4等
発表者: 成松紀佳、小佐井彩花、高田晶帆
研究タイトル: “副実像”の写像公式化の研究 ~定式化のための行列の特定と可視化~
英文タイトル: Whether Insects See Anomalous Images Located Near a Lens or Not? Verification of Lens Equations for Anomalous Images and Application of the Simple Eye of an Insect
学校名: 熊本県立宇土高等学校
受賞内容: 物理・天文学部門 優秀賞4等
発表者: 岡野美聡
研究タイトル: 朝顔の開花の研究
英文タイトル: Streaks on the Flowers of the Morning Glory, Pharbitis nil, Promote Water Absorption by the Flower and Play a Critical Role in Flower Blooming
学校名: 埼玉県立川越女子高等学校
受賞内容: 植物科学部門 優秀賞4等
発表者: 横浜湧太、坂井龍征、小島颯太
研究タイトル: Soddyの六球連鎖の拡張
英文タイトル: Extension of Soddy’s Hexlet: Number of Spheres Generated by Nested Hexlets
学校名: 滋賀県立彦根東高等学校
受賞内容: 特別賞 アメリカ数学会賞1等
発表者: 濱野柊歩
研究タイトル: 新型Mg空気電池の開発
英文タイトル: Development and Performance Evaluation of a New Type of Mg-air-battery for Emergency: The Teabag Model
学校名: 埼玉県立坂戸高等学校受賞内容: 特別賞 特許商標協会賞2等
<注意>
研究タイトル(和文)は、日本国内の提携フェアで発表した際のものです。
学校名は、国内の提携フェアに出場した際(2017年12月)の所属です
本プレスリリース(PR TIMES)
科学自由研究の国際大会で日本の高校生が過去最多の受賞|特定非営利活動法人日本サイエンスサービスのプレスリリース (prtimes.jp)
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